トランプ大統領に備えよ
March 28, . 2016



1946年は、アメリカ合衆国大統領フロント・ランナー(筆頭候補)Donald Trumpが生まれた年である。
と同時に、それは我が米国産の日本国憲法が日本人に事実上押し付けられた年でもある。

戦後最大の知識人・江藤淳は著書「一九四六年憲法 - その拘束」(文藝春秋)のP.107で、まずこう吠える。

「革新派が、もし依然として護憲を主張しつづけるのであれば、世界のあらゆる国のなかで、日本だけが『交戦権』に関して主権を制限されていることに、果たしてどのような利点があるのかを、わかりやすく国民に説明しなければならない」、と。あいにく昨日三分のカップラーメンの如く結成された「民進党」なる台湾与党のネーミングをパクった政党は憲法と同じく虚構なのでさておき、恐るべきことに与党自民党にしても1955年に結成されてから今日までの61年間、果たしてその "利点" なるものをを国民にわかりやすく説明してきたかと言えば、NOと言わざるをえまい。その代わり何をしてきたかと言えば、依存してきただけだ。

よって、不動産王ドナルド・トランプ氏がつい最近のNew York Times (NYT)インタビューで「これからは米国第一。これまでジャパンは安全保障をアメリカに依存してきた」と指摘していることは、まったく正しい。

江藤は、P.145ではこう嘆く。
「軍事占領以来、戦後日本の社会は公的な価値を米国の手に預けて肥大しつづけている」、と対米従属の構造に斬り込んでいる。この本は、松田聖子が「赤いスイートピー」や「夏のサンゴ礁」などヒットを飛ばし始めた1980年に出版されているが(両曲のだいたいの時期)、2016年からさかのぼれば実に36年前になる。その従属構造は、まったく今日まで変わっていない。

トランプ氏は、NYTにこうも語っている。

「(日本が負担を大幅に増やさなければ)在日米軍は撤退させるつもりだ。日本は負担を増やすのではないか。増やさなければ、撤退に「イエス」と言わなければならない」- この発言は極めて重要だ。米大統領候補が、これまでここまで踏み込んだ発言をすることこれまではなかった。と同時に、谷山某はこの同氏の発言に強い怒りを覚える者である。明らかに我が国を見下しており、まあ月並みな表現を用いるなら「舐めている」のだ。分かりやすく明言しよう。今や「有力」な第45代アメリカ合衆国大統領候補ドナルド・トランプは、安倍晋三総理大臣を完全に舐めきっている。それは「日本は脅しとけばもっと金を払うだろう」との上記の発言にも現れている。これはヤクザならぬチンピラの恐喝手法そのものではないか。とんだ「日米同盟」が始まろうとしているのだ。

さあ、ここまで読んで日本人読者諸君は何を考える?
私は屈辱を覚える。


いいですか。我が国の「保守論壇」とか呼ばれる人々の多くは、そのイデオロギーを金儲けに利用している守銭奴にすぎない。国内向けのマスターベーション雑誌が大半だ。また、逆に朝日新聞や北海道新聞にしても「日米同盟」という魔法の言葉を多様し、それこそが日本列島の安全を確保するものだと説いてやまない。その点に限って言えば、保守だろうが左翼だろうが呉越同舟だ。だからこそ江藤淳は、そんな21世紀現在の我が国の「知識人」なる人種を次のように事実上告発するのだ。

「米軍第七艦隊は、日本国内に佐世保、横須賀の両軍港を確保して半永久的基地としている。安保条約が継続される以上、この二港が沖縄の那覇港とともに、七十年代における日米両国の軍事的接点として意識されはじめることは明らかだと思われる。
だがらこそおそらく「戦後」は終わらないのである。なぜなら米艦隊における佐世保、横須賀の事実上の占拠というかたちは、ミズーリ号以来、つまり一九四五年九月二日以来、四半世紀の永きにわたって少しも本質的に変化していないからである」、と。(P.151) そして江藤は、軍事面において占領政策が二十五年間継続していることを(1980年時点で)「いかにも奇怪な現象」と冷ややかにみている。つまり与党自民党と、および彼らに思考停止のまま単に「日米同盟」を肯定し盲従する保守・リベラル知識人共を暗に否定しているのだ。






日本人のアイデンティティーを取り戻す絶好のチャンス

あえて断っておくが、谷山某は反米でもなければ赤旗の定期購読者でもない。は?アンポホーセーハンターイ? ミスターc? ちょっと今すぐ最寄りの精神科医に見てもらった方がいいんじゃないか。真剣に。何を隠そう筆者は単に「脱米」を唱える者にすぎない。なぜか。それはトランプ氏自らの次の言葉一つみても明らかだ。
「アメリカ合衆国は、いまや貧しい国だ。21兆㌦の債務国だ。なのに日本や韓国、中東や欧州同盟国は米国に依存しながら対価を払っていない」、と。

読者もご存知のとおり、南シナ海で中国人民解放軍(PRC)がやっていることは滅茶苦茶だ。東京ドーム87個分ものサンゴ礁をコンクリートで埋め立て、人工島を造成しミサイル発射台まで設置してしまった。それを無様にも許したのがオバマ外交であった。と同時に、中国の海洋進出を食い止めることができない「米国弱体化」の現実をそれは裏付けている。もうお分かりだろう。そうだ、単純な話このまま江藤が斬り込んだ「対米従属」のままでは、日本国そのものが危ういのだ。中国に食われてしまうのだ。南シナ海は、すでにPRCに食われてしまった。無能民主党時代2010年の9月に、尖閣諸島で中国漁船が海上保安庁に体当たりしたことは今も記憶に新しい。その時、米国は何もしなかった。信じ難いことにペテカンことペテン師 菅直人首相は、「対中従属」の姿勢を採りすぐに犯罪者の船長を釈放してしまった。そして先週、Washington Postのインタビューでトランプ米国大統領候補は「尖閣諸島が中国に占領された際は、どうしますか?」との質問に対し「それは答えたくない」と濁した。つまりこれは我が国の保守論壇が盲目的に崇拝している「日米安保第五条が適用されるから大丈夫」との主張を、根底から覆すものなのだ。



結論に急ごう。

日米安保はもはや時代遅れだ。トランプ大統領が誕生したら、まったく機能しなくなる。たとえヒラリー・クリントン氏が大統領に就任したとしても、トランプ氏が「自分で自分を守ることが出来ない国」日本の現在の異常を指摘した功績は多大だ。ムスリムを侮辱したり、メキシコ国境沿いの米アリゾナ州に壁を作るとの同氏の主張には真っ向反対するが、「ジャパンがお金をもっと払わねば駐留米軍を撤退させる」との同氏の考えに、私は大いに同調するものである。考えても見ようではないか。四万五千もの米兵、とその家族を合わせてじつに10万人の米軍関係者が今の「占領下というかたち」(江藤談)を、可能にしている。果たしてこれが、主権国家としてまともな姿だろうか? とんでもない。だって諸君、世界200ヵ国あろうともこんな「外国の基地が首都にゴロゴロしている国」なんて存在しないんだぜ、マジで。ルネッサンス期のイタリア人外交官・文筆家のニッコロ・マキャヴェリの「他国に国防を依存する国に、未来などない」といった言葉をみても現在の異常は一目瞭然だ。


運転はヘタクソではあるが、それでも首都高や東名をまあまあ使う方だ。それが来週四月一日から、首都高料金がただでさえ高い930円から1300円に大幅値上げをする。お財布には、外苑出口を逆走したくなるほどの大打撃だ。しかしながら、横須賀米軍基地第七艦隊所属の米兵フレッド、東京ドーム157個分の巨大面積を誇り羽田・成田よりも長い滑走路を持つ横田米軍基地所属で基地内の格安ゴルフコースで毎週88(ハーフ)を叩いている米兵マイケル、厚木米海軍基地に隣接した4LDKの米軍住宅に無料同然で住んでいる米兵トッド、そして六本木ヒルズとミッドタウンのちょうと中間点にある「青山米軍基地へリポート & 米軍住宅6F」に家賃30円で暮らし毎晩六本木のキャバクラでブイブイ言わしている米軍機関紙 "Stars and Stripes"紙記者のジェフらが首都高を使っても、なんと「タダで乗れる」ことは殆ど知られていない。朝日も読売も誰も書かない。これらの費用を払っているのは、他ならぬ読者のアナタなのに、だ。この盲従、この思考停止、この高齢者保守論壇の限界。自民党の諸君、聞こえるかね、江藤淳の嘆きを。その無念を。それでも次期選挙で争点にしないのか。九条第二項の改正の必然性を国民にわかりやすく説明する責任を放棄したまま、無機質な選挙民にへりくだるのか。それで本当にこの国が変わるはずがなかろう。







結論:  右翼、左翼、イデオロギーの時代はとうの昔におわった!


ドナルド・トランプが、"America First" すなわち「米国第一」の外交ポリシーを取ると明言している以上、我々日本人が今こそ "Japan First" - 「日本第一」でいくべきことに、異存はなかろう。それはつまり同氏の「お金をもっと払え」という脅しに屈さず、その代わり
「はい。わかりました。ならば駐留米軍は出て行ってください。憲法改正し、新日本軍として自分で自分を守れる真っ当な主権国家に生まれ変わりますので。ええ、米国が攻撃されたら我々が守ってあげますよ。それが新日米安保です」と毅然と胸を張ればよい。ようはまずは覚悟の問題なのだ。それが微塵も無いから、我々は戦後ずっと謝罪国家として屈辱外交を展開してきたのではなかったか。


言うまでもなく、今回のNYTのインタビューのトランプ氏の発言に対し、アメリカ国務省、および赤坂の在日米国大使館は火消しにやっきになっているはずだ。とはいえ、焼け石に水。この時代、情報はすぐに広まる。我々日本人は今こそ強かになり逆にドナルド・トランプを利用し、新しい正常な国へと生まれ変わるべきなのだ。そしてまずは石原慎太郎都知事が14年かけても達成しえなかった横田米軍基地を取り戻し、「東京多摩国際空港」(TMA)として首都圏第三空港へと変貌させる。東京都は「横田の民間化は、外国人観光客560万人の受け皿になる」と発表している。羽田と成田だけでは足りないのだ。トランプ氏により、横田がまず日本国に返還されれば、俗にいう「横田空域」も日本に返還され現在東京羽田国際空港(HND)から、毎時80便飛んでいるJAL, ANAなど民間機の数を90便へと増やすことが容易になることも間違いない。


首都圏だけに東京ドーム500個分はあると想定されるこれら米軍基地・施設を、これからは我が国の経済成長戦略の一環としてビッグに活用するのがベストだ。そしてグアム、スービック、ダーウィンへと退いた駐留米軍の穴を埋めるべく、今度の夏の選挙で安倍晋三総理は憲法改正を争点に置かねばならない。戦後70年の去年暮れ、谷山某はLinkIconペリリュー島慰霊に訪れたが、帰りの飛行機で通路を挟んで隣り合わせになった自衛隊習志野駐屯地のお兄さんの言葉が未だに忘れられない。彼は屈託の無い笑顔で、こう言ったのだ。「PKOを含めた国際協力活動など、様々な現場で我々が憲法の制約を受けず、オランダ軍などにわざわざ守ってもらわずとも自衛隊員として堂々と職務を真っ当出来るよう、政治に携わる方々にはお願いしたい」、と。それは即ち、憲法を改正して欲しいという現職自衛隊員の曇りなき願いである。

トランプ氏が生まれた1946年にマッカーサーにより作られた日本弱体化憲法第9条二項「陸海空軍を認めない。交戦権も認めない」と定めている異常なそれを、同氏が米国大統領に就任する2017年1月までに改正することが今、現実問題として日本人に求められている。なぜならば、それなくしてはドナルド・トランプの言い値を支払う羽目に陥ってしまうからだ。それが何を意味するか。江藤が告発した「半永久軍事基地」として我が国が今後一〇〇年、二〇〇年とあり続けることである。よって「米国第一外交」をトランプ氏が提唱した現段階になってもなお、我々が「ケンポーカイセー? わかんなーい」といった思考停止であるならば、残念ながら日本民族というのは所詮はその程度の三流国民だったとの証であろう。


「北朝鮮の核の脅威に直面するのなら、日本の核の保有はアメリカ合衆国によっても悪いことではない」、ともトランプはNYTインタビューで述べた。素晴らしいではないか。真っ当な主張だ。恐るべきことにこの国では核議論を唱えただけで古館伊知郎氏やTBSに「右翼」呼ばわりされてしまうほどの思考停止的重症だが、対米従属に終止符をようやく打ち、米軍がグアムに退いた時、我々は憲法改正後の新日本軍設立と同時に中露北朝鮮に対処するための軍事力の大幅強化、独自で核を持つのか否か。待ったなしの段階に置かれている。



え? 精神科医がコイツには必要だって? いやいや、それはアナタの方ですぜ、フルタチの兄さんよ。


Great Japan, Great tomorrow!


Go Donald, Go!


鬼感謝。




谷山雄二朗 - JB 編集長






















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